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(日蓮宗新聞 平成23年8月20日号 2面 論説) 記事

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“こころのケア”は傾聴すること

 「こころのケア」の言葉が最近、よく使われます。うつ病やリストラ、高齢者の増加、またこの度の東日本大震災によって、不安やストレスに悩む人が増え、その心理的支授の必要性が叫ばれているからです。これは寺院と檀信徒の間でも重要な課題でしょう。
 このような中で、電話相談やカウンセリングが知られていましたが、今や企業向けの心の健康ケアビジネス、一般向けの愚痴聞きビジネスが広がっています。特に後者は、十分間千円程度で話を聞き、悩みが解決するわけではありませんが、話すことによってストレスが解消し、心が整理できるということで、事業は順調、同業者も増えています。ケアの本来は臨床心理士など専門家が行うべきでしょうが、ストレス社会と呼ばれる現代にあっては、より多くの人が相談や援助を心がけるべきではないでしょうか。
 そのポイントは前述のような、悩む人の話を「お聞きする」ことです。これをカウンセリングでは、相手の話に耳を傾けてよく聞く意味から、聴(き)くの字を用いて、「傾聴」と呼び、カウンセラーの一番大切な心構えと重視しています。この傾聴を誰もが心掛け、誰もが行うべきと考え、立正大学心理学部講師・渡部公容師の著作を参考に、次のようにまとめてみました。
 初めに傾聴の意義とは、まず心の健康への援助になります。人は自分に関心を持ち、話をきちんと聴いてくれる人がいれば、気待ちが安定し、笑顔も出ます。人の気持ちを支えられるのは、やはり人だといえます。二番目は話し手の心が整理され、問題解決の方法が自ら見えてきます。話す時は筋道を立てなければ言葉が出てきません。話そうとすると問題が整理され、半分は解決します。話し手は自ら答えを待っていて、聴き手に確認を求めている場合が多いといわれます。三番目は聴き手自身の自己成長も促されます。聴くことにより多様な価値観や、意見に気付かされます。また人生上の共感も芽生え、思いやり、慈悲心、使命感など人間としての価値を高められる可能性があります。
 次に傾聴の方法−基本のポイントのみ列挙します。@信頼関係を築く 信頼関係があってこそ、本心を聴けます。初対面持の挨拶、自己紹介や、聴く側の表情、態度、言葉遣い、服装も重要です。A思い込みで聴かない 先入観を持たないで、相手の話をありのままに受けとめて聴く。B焦らず、待つこと 沈黙が訪れても、注意深く待つのは非常に大事です。話し手は考えを整理していたり、話すためのエネルギーを溜めているからです。C相手の言葉を反復 相手の言葉を繰り返すことです。自分と同じ立場で考えてくれている、という安心感が生まれ、話が深まる契機になります。D話が混乱した時は、相手の言葉を要約、整理する。E励まし、忠告、議論、説得などをしない 相手をありのままに無条件で受け入れるのが基本であり、助言や結論を出すこともしません。F相手の表情や態度からもメッセージを読み取る。G相づち等で聴き手の関心、共感を相手に伝える。H相手が自由に答えられるような質問もする。I急いで結論を出すのは不要。
 以上を基本として傾聴の場に臨んで頂きたいと思います。但し相手が簡単に心を開いてくれるとは限りません。日頃のつながりがないと、すぐには心を開くことはないでしょう。それでも例えば被災他に行くようでしたら、「被災他の復興は、心の復興から」の思いを持って、法華経精神を実践するのは私たちの使命ではないでしょうか。
(論説委員・山口裕光)
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