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生老病死と向き合う あなたのそばに
日蓮宗新聞 令和6年6月20日号
病気との向き合い方
齊藤 耀慧

自分にとって本当に大切なことは?

 家族で縁がある、心根が優しく、自分に正直で、その故に不思議な雰囲気がある。そんな彼女から久しぶりに連絡がありました。
 「私、乳癌になったみたい」
 彼女曰く、自分の身に起きた現実を受け入れるのにそんなに時間はかからなかったそうです。
 聞いた私の方が、気持ちがざわつき冷静を欠いていました。彼女の母親も乳癌を患いリンパに転移し、その経過を見てきたので「ああ、そうなんだ…」と妙に納得し冷静な自分かあったそうです。
 日本女性の乳癌罹患数は50年前は50人に1人でしたが、現在は14人に1人といわれています。
 病気との向き合い方はそれぞれの環境や考え方があるのではないかと思います。置かれた立場、その時の身心の状態、人間関係など、さまざまな要素がからみ合った事情が、そこに関係してくるのではないかと思えるのです。
 病気を受け入れることから始めて、自分にとって本当になにが大切なのか模索し、優先順位を考えるでしょう。いろいろ考えてみると人生の中で本当に大切なものは、少ないかもしれません。自分でなくても大丈夫なことを周りに任せられるならば、後は自分がしたいことをすれば良いと考えられるようです。
 日頃、いろいろなことを抱え込んでガチガチになり、些細なことで心が砕けてしまうなんてことは、避けた方が良いに決まっています。
 世の中には、どれだけ突き詰めて考えても仕方ないことがあります。「なぜ病気になってしまったのか」「食生活がいけなかったのか」など、いくら考えても答えは出ないと思います。
 振り返って考えるのも良いですが、月並みかも知れませんが、今このときを大切にして、好きなことにもっと関われば良いと思うのです。
 彼女には、手術の日までの時間はもちろんですが、それからも穏やかに過ごしてほしいと祈っています。
(日蓮宗ビハーラ・ネットワーク会員)
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