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生老病死と向き合う あなたのそばに
日蓮宗新聞 令和6年8月20日号
悲嘆に向き合う
臨床仏教師  星 光照

らせん階段を上るように少しずつ進んでいます

 檀徒さんから「この悲しい気持ちはいつまで続くのでしょうか? いつか終わりがくるのでしょうか?」と尋ねられることが少なくありません。
 「日にち薬」という言葉もあるように時間が経てば悲しみが軽減されていくかもしれませんが、直線
的なものではないといわれています。死別によって生じる落ち込みと、そこから踏み出そうとする気持ちとのバランスが時間とともに変化していき、落ち込みが強いときとそうではないときの振り幅が次第に小さくなっていくという「悲しみの波」とも表現されます。
 映画俳優のキアヌ・リーブスは自身の死別体験についてのインタビューで「歳を重ねることとは関係がないと思う。潮の満ち引きはするけれど、ずっとそばにある」と応えました。時聞か経てば経つほど悲しみを周囲に伝えにくくなり、立ち直らなければいけないという思いに駆られるかもしれませんが、悲しみにタイムリミットはありません。
 時間の経過とともに表れる悲嘆の反応のなかに「記念日反応」というものがあります。これは故人の亡くなった日や誕生日、一緒に過ごしていた行事などが近づくと、生きていた頃の記憶が特によみがえり、体調や気持ちが変化することです。疲れやすくなったり、感情の起伏が大きくなったりと人によってさまざまですが、決しておかしいものではなく、自然な反応です。記念日反応は何年、何十年経っても表れる場合があります。知識として覚えていることであらかじめ予測ができ、心にゆとりができるかもしれません。
 大切な人を亡くした人たちの多くは何度も同じような体験を繰り返し、行ったり来たりしているように感じています。けれども実は、らせん階段を上るように少しずつ前に進んでいることを忘れないで下さい。
(日蓮宗ビハーラネットワーク会員)
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