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日蓮宗新聞 令和6年10月20日号
流産の心の痛み
医師・日高 隆雄

冬は必ず春となるように祈り続ける

 長期にわたる不妊治療の末、待望の妊娠。40歳の女性でした。しかし、妊娠10週、新型コロナ感染症に罹ってしまいました。残念なことに受診した妊婦健診の超音波検査で赤ちゃんの心臓が止まっており、流産していることがわかりました。「自分がコロナに罹ってしまったために流産になってしまった。おなかの赤ちゃんに申しわけないことをした」と泣き崩れます。夫も「自分が妻にコロナをうつしてしまったからだ」と責任を感じて、妻の横でしゃがみ込んでしまいました。何回ワクチンを接種しても、どれだけ気をつけても、いとも簡単にコロナに罹ってしまう時代です。
 しかし、本人たちにしてみれば、罪悪感、後悔や悲しみの感情に襲われ、どうしても自分たちを責めてしまいます。妊娠した約40%が流産を経験しているともいわれています。また現時点では新型コロナウイルス感染に
よって流産のリスクが高くなるという報告はありません。しかし、流産を経験した当事者の心の痛みは計り知れないものがあります。
 私は夫婦の気持ちや感情をありのまま受け入れて、たくさん泣いてもらう、そして、ひたすら横で見守るだけです。許されれば、夫婦と一緒に赤ちゃんの成仏を祈り、合掌します。その過程でどれだけ時間はかかろうとも、夫婦には失われた命と向き合い、心を整理して安らぎを見つけてほしいと思います。そして、それまで以上に夫婦のかたい絆を築いて、新たな一歩を踏み出せるように願っています。
 日蓮聖人のご遺文『妙一尼御前御消息』にも「法華経を信ずる人は冬のごとし。冬は必ず春となる。いまだ昔よりきかず、みず、冬の秋とかへれる事を」とあります。お題目を
お唱えしながら、夫婦の幸せと新しい命の誕生を期待して、祈り続けたいと思います。
(日蓮宗ビハーラネットワーク世話人・富山県妙輪寺住職・産婦人科医師)
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