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生老病死と向き合う あなたのそばに
日蓮宗新聞 令和7年9月20日号
そこにいるということ
臨床仏教師  星 光照

遺族には必要な時間があります

 5月に母親を亡くしたAさんの自宅へ新盆の棚経に伺った。読経後、Aさんは現在の心境を語りはじめた。
A「私がいつまでも落ち込んでいるから、周りの人が私を励まそうと声をかけてくれます」
星「どんな言葉でしたか?」
A「もっと自分の人生を生きた方がいい。前向きに過ごしてほしい。何か熱中できるものを探した方がいい。など言われます」
星「その時どんな気持ちになりましたか?」
A「それぞれの言葉は一理あると思います。けれども受け入れられません。受け入れられない私は器が小さいのかなと思ってしまいます。善意で言ってくれているからそうですよね≠ニ相手に合わせるのが時々しんどくなります」
星「自分のためだと思うと相手に合わせないといけないと思う。自分にも相手にも嘘をついているような…」
A「そうなんです。今は母が生きている時と同じようにしか生きることができません。朝起きて母にコーヒーを作っていってきま
す≠ニ声をかけて。夕飯を作って。周りの人から見たらおままごとに見えるかもしれないけれど。自己満足かもしれないけれど、今の私にはこれしかできないんです」
星「お母さんのために今できることを精一杯やられているのですね」
A「お母さん喜んでくれるかな・…今の私は前に進むことはできません。以前と比べると日常生活ができるようになりました。その時は離れているけれど、すぐにあの日、あの時間に戻ります。そしてもっとできたことがあったんじやないかと。取り戻したいんです…。そう取り戻したいの…」
星「取り戻したい」
A「みんなそこから私を出そうとしてくれている。気持ちは有り難いけれども、私はそこにいたい・:」

 遺族にとってはすべてが必要な時間であるのです。
(日蓮宗ビハーラネットワーク会員)
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